砂上の楼閣
大学生の頃。友人Beeが、
「砂丘で映画を撮る」と言い出したことがあります。Beeの脳内を満たした妄想をわたしの脳内で映像化し、その一部を文章に変換してみます。
雪に覆われた砂の丘を歩く長い髪の女。着物に裸足。手には死の国の赤花の束。
点々と続く足跡。
W.O.(ホワイト・アウト)
過去と現在が交錯するストォーリィの鍵となる謎の女が、わたしの役らしい・・・・・・。
「ロケ地は・・・・・・」とBee。当時、ロケ(学生の自主制作につき旅費は自前)を厭わず何処にでも現れ、スタッフも兼任できる女優として重宝がられていたわたしでしたが、寒いのが大の苦手でしたので、Day for Night 方式を提案しました。「Day for Night 」つまり、「アメリカの夜」とは、ハリウッドから広まった撮影技術で、カメラのレンズにフィルターをかけたり特殊レンズを使用したりして、夜のシーンを昼間に撮影し、昼を夜に見せる、いわゆる「嘘っぱちの夜景」のことなのですが、フランソワ・トリュフォー監督の映画を描く映画、『映画に愛をこめて アメリカの夜』では、様々な撮影技術が登場し、わたしはその技法の一つ、雪のシーンの撮影法を推奨したのでした。
「砂丘に洗剤を?」とBee。
そう! 化学消防車に出動してもらって、アワアワの消火剤を撒いてもらうのです。

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実現不可能なことのたとえに「砂上の楼閣」という言葉があります。
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結局のところ、Beeは冬の大砂丘も泡立つ砂丘も断念し、脚本は大胆かつ無難に変更されました。
そんなことを思い出した旅でした。
<おすすめ度:★★★★☆:好き嫌いだけなら最高級に好き♪>
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