カテゴリー「結婚」の記事

結婚・・・いかなる羅針盤もかつて航路を発見したことのない荒海。by Heinrich Heine

愛し合うふたり

 病室からの電話は、妻への不満。冗談を交えた軽い雑言は、夫による見事な考察。分析と統合。
 妻は、女の得意技「陰で言う本当のことだもん」・・・なエグぃ罵詈を披露。
 
 思うに。
 ある種、ある程度の関心がない限り、ひと(人)がひと(他人)の悪口をいうのは難しい。
 それが根拠のない悪口(中傷)ではなく、実にうまく言い表している(言い得て妙)と感心させられる域に達するには、そこに「愛」か「何か」が介在しない限り、不可能である。・・・・・・おそらく。

 父は母を、母は父を懸命にみつめているのね。・・・・・・たぶん。

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家系図。そこに愛はあるのか?

 先週でしたか、こんな記事を目にしましたし、家系図作りはそこそこ流行っているのかもしれません。

 命に関わる程ではないけど、手術入院を控えた父は、様々に物を思うみたい。
「家系図を作ろうかな・・・」って。手伝って欲しそうな顔でした。
 自分のルーツは?・・・って興味がないわけではありません。
 だけど。
 母方の祖父母は、様々な事情から、結婚、養子縁組、書類上の離婚・再婚・・・・・・などを経験したそうで、母は、
「わたしなんて5回も苗字がかわったのよ」って。「そういうのも家系図に書くの?」
 父の母方なんて、(わたしからみて)曽祖父母が離婚して両方とも再婚したおかげで、父にはわけわかんないくらい大勢の親戚がいて、おまけに父方なんて、曽祖父が美貌と財力で愛妾の山を築いたそうです。
「そういうのも一応、入れておく? 愛人●名、隠し子不明」って、わたし。「知らない親戚多そうね」
 父は、お気軽に、
「そうそう、Yくんの家系も合体させよう」っていうけど、Yは、
「僕んちも、ひいじーちゃんのところで、愛人●名、隠し子不明」って恥ずかしそうにいいました。
 母は何を思ったのか、たぶん、Yへの助け舟のつもりだったのね。
「Y叔母さん(父の叔母)なんて、娘を自分の実家に嫁がせたのよ!」って、暴露。ご実家が結構な財産家だったので、赤の他人が入ってきて持っていかれるのを怖れたということだそうで。
 過去の記憶がよみがえりました。
「Y叔母さんの実家って、S家? 島が●つあって、橋が●つほど架かってるおうちよね?」って訊ねると父は、
「大きい池の方はそう。小さい方には・・・・・・」っていいました。
「散歩した、っていうか探検した覚えがある!」って、叫んでしまいました。苔むした石灯篭と悪食な鯉の群れが恐かった、気がします。親子ガメ(←ほんとは親子じゃないよね!)もいました。蓮の葉っぱにホテイアオイ。水鳥の飛来・・・・・・。
「総資産額なんて書き込めば面白そう」って母。一体どこに書き込むというのでしょう?
 母の暴走は止まらず、父の書いたラフな家系図といいますか、複雑な相関図と化した紙を前に、
「Kさん(父の従兄弟)の奥さんなんてご実家の事業拡大の為に嫁いできたんだから。というのもね・・・・・・」って、他家のお里の事情など、父もろくに知らないことまで話していました。
「政略結婚?謀略婚? そういうのも一応メモっておく?」って、素早く書き込むわたし。
 父は苦ーい顔をしていました。

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赤面するうちが花

 大文豪なんだと思う。彼って。

 こんな軽い書き出しは、私ごとき人間が彼や彼の作品を云々すること自体が許されることではないと考えてのことです。
 後期三部作というのですって。その第二作目。『行人』。
 どう考えてもこの作品をどう紹介すればいいかわかりません。
「(こうじん)とルビるのよ。」(←「(こうじん)とよむのよ。」の意)としか。

 ・・・・・・って、普段、”わたし”だの”みみ”だの表記するところを”私”などとしてみました。

 きっかけは、すっかり滞りがちなここの更新を
《ちょっとなんとかしてみようかしらん。》って考えたことに始まります。
 そして。
《そうだ、結婚について考察してみよう。》って。思い付きです。単なる。 
 そうして。
 現代人は、駄目ですね。無駄足ってものを極端に嫌がり、単簡に性急に解答だけを求めたりします。
 
 ・・・・・・検索中・・・・・・結婚に関する格言など。

 Web上に漂うものが、どういう性質のものかという議論は置いておきましょうね。
 そんな中、目に止まったのが、・・・・・・by 彼の人。だったのです。
 
 凡そ100年昔の厳めしい美男。旧千円札の彼が、小説で登場人物に語らせたのか、随筆あるいは知人との書簡にて語ったのか、講義で語ったのか・・・・・・? 
 下戸・・・らしい彼が、酔っ払って言ったの?・・・・・・何? 下戸ですって? わたしとは付き合えないじゃん?
 
 ・・・・・・検索中・・・・・・その出典など。

《『行人』・・・ね。なんてルビるの?》

 そうして。
 現代人は、駄目ですね。無駄足ってものを極端に嫌がり、単簡に性急に解答だけを求めたりします。・・・・・・青空文庫行き。
 わりと簡単なのね。ワードだかエクセルだかに移して検索をかけるとすぐに、目的のソコが見つかりますよね? だけど、冒頭から惹きつけられました。停車場にステーションって読み仮名がふってあるのが、

《Some kind of wonderful !》(←なんだかイイじゃん?・・・って感じ)

 そういうわけで、兎に角これ以上の予備知識は入れずに読もうって思いました。『結婚は顔を赤くするほど嬉しいものでもなければ、恥ずかしいものでもないよ。』へ猛進するだけなんて勿体無いもの。

 おせっかいだけど、解説を挟んでおきますね。そこの部分を殊更に「格言」として扱われるのは、作者にとって嬉しくないかも・・・って感じてしまったから。
 物語の中心人物・・・といっても、最初の語り手である”自分”の兄・一郎・・・が、宅で給仕や子供の世話をしてくれているお貞さんに云う言葉の一部です。弟・二郎・・・つまり、”自分”が、結婚を間近に控えたお貞さんを面白半分にからかったところ、彼女は赤面します。耳まで赤く染めた彼女に一郎は、「結婚の話で顔を赤くするうちが女の花だ」と聞かせるのです。そして、例の一文。後へ続くのは、「それどころか、結婚をして一人の人間が二人になると、一人でいた時よりも人間の品格が堕落する場合が多い。恐ろしい目に会う事さえある。まあ用心が肝心だ」です。二郎が感じるように、お貞さんには意味が通じず、一郎は余計な話をしたと謝ります。
 この小説には無駄なエピソードが全くなく、また作者と読者の頭脳・知能レベルまたは情報処理能力の差異によって生じる誤解、つまり読者が感じ易い冗長さが見られないと思います。この場面は、二郎にとっては兄の結婚観を垣間見るに重要な下りであり、終盤の読者にとって全く合点の材料、種明かしの種の一つではないでしょうか。

 さて。肝心の『行人』。全体をどう読むか?

 やはり、私ごとき人間が彼や彼の作品を云々すること自体が許されることではない・・・です。

 ただ、読み終えて、新聞の連載だったとか、作者の病気療養のため長期にわたり休載されたことを知り、待たされた読者はさぞかし辛かったでしょうに・・・と考えると、こうやって思い立ったらすぐに読めることを本当に嬉しく思いました。


 
 
 
 恋愛小説としても傑出した作品です。
 ので。
 機会があれば、恋愛指南書としての読み方も紹介していきましょうね。・・・・・・怒られちゃうかもしれないけど。

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スッキリした?

「前もって済ませておくべきです」って、30代後半、妻子ありのS氏は言ってみたそうです。アドバイスされたのは四十路、結婚式を目前に控えたT氏。T氏はS氏の上司らしいのだけど、妻帯者・家庭人としてはS氏が先輩ってことになります。

「君たちはどう思う?」ってS氏。君たちっていうのは、S氏を囲む会参加者の女性3名。「本当のほんとに初めての初夜ってありえないよね?」
 顔を見合わせる3名。酒席のこういう話に、真剣に答えるのは愚かな行為です。第一、”本当のほんとに初めての初夜”ってなんだというのでしょう? 三度結婚する人は三度初夜を迎えられるわけで、初夜は初夜。・・・・ということは、
《”本当のほんとに初めて”に深い意味があるのね・・・》
 氏のお話によると、T氏は、あのぅそのぅつまりぃ・・・もちろん(?)自分の手に女性の名前が付いていたりするそうですが・・・プロアマ問わず生身の女性とは関係を持ったことがないと告白しているそうです。
「期待が膨らみすぎてさ、いざっていうとき・・・」
 確かに、かのスタンダールも『恋愛論』で、失敗してしまう恐怖について述べています。
「そもそも婚約する前に互いの嗜好や傾向を確認しておくべきだよね? あっち、の」って。「結婚してしまってから、変な趣味が発覚したらどうするんだろう?」
 どうやらT氏はある傾向を持ち、VTRにて考察を重ね夢想しているようです。そして、
「その日(初夜)までとっておく」って宣言しているのだとか・・・。
 S氏は、T氏のちょいマニアックな趣味について語り始めました。
 顔を見合わせる3名。おそらく3人中3人が、《ついていけない》と感じたようです。(←実際のところはお相手次第、タイミング次第といったところでしょうか。)
「婚約者も”初めて”であることを祈るよ」
 純粋無垢で、ケガレ(?)を知らなければ、《これが普通・・・》と考えるのではないか?・・・ということのようです。他に経験がなければ、比較対照も困難。
 ・・・・・・そもそも”普通”ってなによ?ってカンジではありますが・・・・・・。

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 聞き役に徹し、相手の話を引き出し、その考えを披露する場を提供する。そうすると、いつの間にか好感を持ってもらえるのかもしれません。
「君たちってイイコだね。美女に囲まれて嬉しいよ」
 彼の言うところの美女たちは、お酒や料理を勧め、誉めたり驚いたり笑ったり・・・。酔った目には、まさしく三美神に見えたかも。(←言ってみただけ)
 これはもう、S氏の独演会。思いを吐き出してスッキリしたのでしょう。
「明日も仕事なので」って早退けて行きました。

 男とはスッキリすると背を向ける生き物である。・・・おそらく。・・・・・・by みみ

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