『れいがひょういしている!』
年若く希望に満ち満ちている頃、人々は、漫然と誘われた合コンにも気安く参加できます。
「合コンするけどいかが?」
「うん!行く!」
だけど、年を重ねる毎に、オトコノコはいざ知らず、オンナノコには、「何か」が必要になってきます。「彼、恋人、パートナーを求めて合コンに勤しむ自分」なんて、あんまり認めたくないものなのかもしれません。「運命的に出会った感」も大切だし。
「合コンなんかじゃ出会えないわ」・・・・・・その台詞には、自覚があるないにかかわらず、根深いものがあるのです。
そこで。
「彼ちゃまと、そのお友達なんかと肝試しに行こうって話があるんだけど・・・・・・」
女ひとりじゃ何かと不便だから・・・・・・と、参加を呼び掛けてみますと、トモちゃんがお友達を連れてきてくれることになりました。
逢魔時、車2台分の男女で、おどろおどろしいスポットへ。
徒歩でちょっとした山道を行く集団。この中に黒目がちな、美人だけど地味な女の子がいました。トモちゃんの後輩だというメグちゃんでした。で、彼女はみみちゃん(←あらわたしのことじゃん)の腕に腕を絡ませて歩いていました。その理由を、みみちゃんは後で理解はできないけどなんとなーく知ることになるのですが、その時は、
《オンナノコにくっつかれるのなんて、よくあることよ》って気にしていませんでした。
「本当に、出るの?」って不安がるオンナノコに、オトコノコが、
「大丈夫だよ」なんて答えています。その時、メグちゃんの手に力が入りました。何かに脅えるように、みみちゃんの斜め後ろへ下がります。おかげでみみちゃんは、ある一点を中心に、コンパスの鉛筆側のように引っ張られました。
どれくらい歩いたでしょうか、公園っぽいスペースが広がりました。どんよりと水を湛えた池には、誰だか分かんない銅像が立っていたりして刻限が刻限だけに、不気味でした。崩れそうな階段の先には何やら建物がありそうです。
「怖い」って涙目のオンナノコに、いかにも軽そうなオトコノコが、
「ダイジョーブ、ダイジョーブ」って。同じ言葉を二度繰り返すと、軽薄さが増すのは何故でしょう?
そのケーハクくんが、ナミダメちゃんに手招きし、手を差し伸べながら階段を上がりかけた時、鋭い声が飛びました。
「そっちはダメ!」
メグちゃんです。ただならぬ形相でした。
《腕が痛いわ・・・・・・》ってギュッと掴まれたみみちゃん。
わたしたち探検隊(←いつからだよ?)は、これ以上の捜索を断念することにしました。
っていうか、元々の、真の目的は「合コン」でしたから。
マジで肝試すなら、それに相応しい装備で相応しい時間帯に行くでしょう?
夕方、ちょっぴり怖いスポットを散策してドキドキ感を味わい、それを恋のトキメキとすり替えてしまおうという心理作戦でもあったわけです。興奮冷めやらぬうちに、めくるめく酔いの宵いへという仕掛けです。
パーティーはイイ感じに進む予定でした。だけど。
酔いが回ってきたのかメグちゃんが饒舌になってきました。そして、
「れいがひょういしている!」とかなんとか。指差されたのは、ケーハクくんでした。
このシリーズの目次ともいえる『The Party Goes On』へ。
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